線維筋痛症とベッド-ポケットコイル?ボンネルコイル?-

睡眠障害は線維筋痛症の典型的症状の一つです(下記参照)。激しい痛みがあれば、眠れなくなるのは至極当然なことですが、幸い私は、激痛の時でもいわゆる「不眠」には悩まされたことはありませんでした。ただ、眠りはとても浅く、毎日よく夢を見るため、朝は疲労感も強かったように思います。実のところ、その当時は眠りが浅いとは感じておらず、慢性的痛みが消え始めた頃初めて、ぐっすり眠かった感覚を感じられる日が出てきて自分のそれまでの眠りが浅かったことに気が付きました。そこで一つの大きな助けになってくれたのがベッドです。

出典:線維筋痛症|痛みの疾患ナビ|痛みの情報サイト – 疼痛.jp (toutsu.jp)

私は元々ベッド派で、特段マットレスにこだわりはなく、いつでもどこでも寝られるのが特技と言っていいぐらい気にしていませんでした。それが、激しい痛みに襲われるようになってからは、自分の体に触れる物全てに異常なまでに過敏になり、マットレスも例外ではありませんでした。

痛みが激しくなる少し以前から使っていたのはテンピュールです。これにはテンピュール素材というのが使用されていて、体重や体温、体形に合わせて最適な寝姿勢にしてくれるというものです。ただ、それが寒い季節になると、私にはマットレスがより硬く感じられて、板の上に寝てるような感覚がありました。激痛のところに、板のようなものに寝る感覚というのは、どうも背中全体が圧迫される感じで私の線維筋痛症の症状には合いませんでした。時折訪れる友人や家族も、皆一様に硬いと言うので、やっぱり変えたほうが良いかと思い買い換えることにしました。誤解のないように書いておきますが、テンピュール自体は良い品だと私は思います。私自身、買ってすぐの頃はとても気に入っていました。ただ、強い痛みの症状があると体はとても敏感になり、わずかな刺激や負担でも苦痛に感じるので、単純に好みと体に合うか合わないかの問題だと思います。

次に買い換えたマットレスはボンネルコイルのタイプのフランスベッドです。友人から勧められたというのもありますが、日本は湿気がとても多いので通気性も考慮しての選択でした。テンピュールから変えて、使い始めの頃は結構良いと感じました。寒い時期に硬く感じるという問題もなく、比較的良い感じで何年かは使用しました。数年後、激痛に加え、こわばりが酷くなってきた頃、このボンネルコイルが自分の背中に突き刺さっているような感覚を覚えるようになりました。ベッドに入ると決まっていつも、コイルの部分が背中を強く押しているような圧迫感がありました。正直、息もしづらい程のかなり酷い状態でした。

正直、内心ではマットレスがそれほど線維筋痛症の症状に影響を与えているとは思っていなかったのですが、毎朝起きるとボンネルコイルが自分の背中に残っているような感覚で、体を動かしづらかったので再度マットレスを変えてみることにしました。

この時期は全体的に症状全般が良くなく、お店を巡ることも容易ではありませんでしたが、頑張って色々な店を見て回りました。どんなに試し寝をしてみても、どれも背中への圧迫感が強く、痛みが増すような感じがあり、その日は疲れ切ってもう諦めかけていました。そんな時、Simmonsというベッドを取り扱うお店のショールームがあることが分かり、もうへとへとながら最後にと行ってみることに。

広いショールームに入ると、多くのラインナップがあり、様々なベッドが置かれていました。よくわからないままにお店の方の案内で色々試してみました。柔らかめのタイプから固めのもの、色々試しながらあれもダメこれもダメという状態で、やっぱりここもダメかなと思っていたところに一つだけ劇的に感覚が違うものがありました。もちろん、その時は疲労困憊だったこともあると思いますが、そのベッドに横になると体の力が抜け痛みやこわばりがすっと楽になり、そのまま寝てしまいそうな勢いでした。

それが今も愛用している「ゴールデンバリュー」というタイプのマットレスです。これはSimmonsの中でもベーシックなマットレスとのことです。表面はキルティングで覆われていて少し柔らかさがありつつ、その下部部分は6.5インチのコイルが入ったもので支えられています。Simmonsは全てポケットコイルのタイプで、それぞれのコイルが点で支えてくれて体圧分散を行ってくれるので私の背中の痛みやこわばりの状態にはとても良かったです。同じタイプで、表面のわた部分がない少し固めのものもありましたが、これだと背中への圧迫感が強く痛みが増幅する感じで私には合いませんでした。こちらは腰痛の方などが使われることが多いそうです。

ゴールデンバリュー | Simmons(シモンズ)| 人生を変えるベッド・マットレス

これを使い始めて睡眠の質にも変化がありました。ボンネルコイルの時のように刺される感覚もなく、朝の酷い疲労感やこわばりも緩和されました。このマットレスに変えてから他のどのベッドでも無理と思うようになったぐらい良かったです。恐らく、背中全般のそこかしこに圧痛点がある私には体圧分散性に優れているポケットコイルのほうが合っていたのだと思います。

一日の中でも睡眠時間はかなり長いです。少しでも楽になるようにと体の状態・症状によって色々使う物を変えてきましたが、このマットレスを変えたことは本当に大きかったと今でも思っています。ちなみに、私はベッドフレームもSimmonsで一緒に変えてダブルクッションのタイプにしました。ショールームでは、このダブルクッションとそうではないタイプ二つとも試してみましたが、ダブルクッションのほうが体の負担が感覚的に少なく感じたのでそちらを選びました。

残念ながら、こちらは全て揃えると決してお安くはありません。2024年現在、私の購入時よりも値上がりしています。それでも、もし可能であるならば、症状軽減のため寝具に投資する価値はあると思います。今は、自分が毎日使う身の回りの物に投資して「整える」ことも症状改善の過程では大事なことだと実感しています。これは病気に関わらず最近思うことですが、人から素敵と褒められる物ではなく、自分の体が心地よいと感じる物に投資して自分を大切なものとして扱うことのほうが何倍も価値があるのではないでしょうか。


【参考】
【専門家監修】ボンネルコイルとポケットコイルの違い|腰痛にはどっち? – マットレスの教科書 (mattress-kyokasho.com)





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