線維筋痛症と温熱療法②-蒸気吸入-

温熱療法と一言で言っても、理学療法で行うものからセルフケアで行うものまで幅広くあります。「温熱療法①」では、私が実践した色々な温熱療法を紹介しましたが、痛みが激しかった頃に行っていたもう一つのセルフケアタイプの温熱療法があります。それは蒸気吸入です。これは、洗面器に熱湯を注ぎ、蒸気が逃げないように頭からバスタオルなどの布をすっぽり被って蒸気を深い呼吸で取り入れる方法です。蒸気吸入によって体が温まり血行が促進され痛みが緩和されることがありますので、温熱療法が合う方には気軽なセルフケアとして良いかもしれません。

ある晩、激痛とこわばりに悪戦苦闘し、ホットタオルなどどの方法を試しても今一つ効かないという日がありました。体は動かない、というか動かせない、痛みとこわばりが酷くベッドに入ることすらままならず、どうにもならない状態でした。そこで、ふと蒸気吸入を思いつきました。実は、それ以前に蒸気吸入をしたことは一度もなかったのですが、もうその時はそれが効くかどうかなどどうでもよく、とにかく温めて効くなら何でもいいという感じで、洗面器とバスタオル、そして常備していたアロマオイルを用意し、洗面器にお湯をはって好きなアロマオイルを数滴垂らし、バサッと頭の上からバスタオルを被って蒸気吸入をしました。しばらくすると、体が芯から温まり、徐々に体の極度の緊張が緩和していく感覚を覚えました。症状が完全に消えたわけではありませんが、その晩はかなり酷い状態だったにも関わらず、朝は意外とよく眠れた感じで目覚めました。私は、酷い痛みの中でも不眠までには至らなかったものの、眠りは浅く、いつもぐっすり寝た感じはありませんでした。ただ、蒸気吸入後に体を温めた状態で眠りにつくと普段より深く眠るのか、一時的な緩和であれやって良かった方法の一つです。

ただ、これは蒸気を吸入しますので、オイルを使用する場合は、香りと質に気を付けたほうが良いでしょう(オイル無しの熱湯のみも可)。あまり低品質のオイルは使用せず、オイルの効能に関わらず、ストレスに感じる自分の嫌いな香りは控えるのがよいと思います。もちろん疾患や体調によっては使用しないほうがよいものもありますので注意が必要です。それぞれのオイルが持つ効能も大事ですが、症状がある時に何より大事なことは、自分が心身ともに心地よいと感じる感覚だと思います。効能より自分の体が喜ぶかどうか、それが一番なのではないでしょうか。

私がよく使っていたのはラベンダーとスイートオレンジの組み合わせです。オイルは「生活の木」か「パーフェクトポーション」のものを愛用していました。パーフェクトポーションで一番のおすすめはバランシンエッセンシャルオイルブレンドです。ただ、これは結構なお値段ですので、最近は「NAGOMI AROMA」のセット売りのオイルをよく使っています。どれも品質が良く気に入っています。

ほんの数年前のこと、ある日ふと本屋に立ち寄った際、「ハーブの蒸気吸入」について触れている本を偶然見つけました。この本を知るずっと以前から蒸気吸入は行っていたのですが、この本にはハーブを使った蒸気吸入が紹介されています。

こうしてみると、温熱療法一つ取っても、色々なことをしてきたなあと自分のことながら思います。そして、若干闇雲的でありながらもその時々でとにかく何かしら症状を緩和する方法を試してきて今に至っています。そうやって試してきた温熱療法だけでも全て私の「道具」となって日常的痛みがなくなった今でも役立っていることには我が事ながら驚かされると同時に、無我夢中でやっていた当時の自分に感謝です。

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