線維筋痛症とはどんな病気?
公益財団法人日本リウマチ財団のリウマチ情報センターによると次のように記されています。「「線維筋痛症」とは、3ヶ月以上の長期にわたって、身体のあちこちの広い範囲に痛みが持続したり、再発したりします。痛み以外に、身体の強いこわばりとともに、激しい疲労感、不眠、頭痛やうつ気分、物忘れなど多彩な症状を伴います。病気の原因はまだよくわかっていませんが、最近では神経炎症と免疫系からの検討が行われていますが、確定的ではありません。通常、さまざまな検査を行っても、患者さんに共通した特徴的な異常がみられないことから、わが国では線維筋痛症の診断が遅れることがしばしばです。この病気は、命にかかわる病気ではありませんが、現在のところ線維筋痛症を完治させる治療法がなかなかないため、日常生活への影響が大きく、しばしば社会生活が著しく困難なることが大きな問題となっています。」
2003年の厚生労働省の調査によると、日本における線維筋痛症は、一般人口の1.7%(約200万人)、2012年のインターネットによる調査では日本の人口の2.1%(約212万人)の患者がいるとされています。うち、重症患者(ステージ4と5)は15%の30万人と見込まれています。また、医療機関で診断加療を受けている患者数は、わずか1万人足らずと見られています。2004年の全国疫学調査では、患者の男女比は1:4.8と女性が多く、推定発症年齢は44歳、患者平均年齢は52歳でした。線維筋痛症は、小児や高齢者でも発症しますが、20代から60代の女性に多く、特に中高年の女性に多く見られます。
線維筋痛症はリウマチ性疾患に分類されていますが、統計的には関節リウマチ(有病率0.7%~1.0%)の2倍以上で、決して稀な病気ではありません。しかし、2004年の全国疫学調査では、日本のリウマチ登録医による線維筋痛症の認識率は31.7%(734/2,313人)に過ぎず、医療機関が限られ、診断がつかないままあちこちの医療機関を渡り歩いたり、医療に絶望して受診しない方もいるだろうとのことです。調査では、3分の2の方が1年以内には診断されていますが、発症から診断までの期間は平均4.9年で、診断までに医療機関を渡り歩くいわゆるドクターショッピングも起こっています。実際、ドクターショッピング先は、内科53.4%、整形外科44.8%、神経内科22%、リウマチ科18.3%、精神科6.7%、その他22.8%と多岐に渡っていて、診断に辿り着くまでの困難さが窺えます。
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