私が線維筋痛症の症状改善のために最初に始めたことの一つはリンパマッサージです。 マッサージは、受診の際に医師から勧められました。同時に 薬の処方もあったのですが(2㎎セルシン錠 (般)ジアゼパム錠、1錠6回分)、私は薬剤過敏が酷く、結局その薬は一度も飲みませんでした。 当時の痛みはあちこちに矢が刺さったような痛みで、それは強烈でしたが、とにかく痛みをひたすらに我慢しているという状況でした。
マッサージといっても種々様々です。私は、自分に合うなら何でもよいと言われていたこともあり、とりあえず特定のタイプにこだわらずに色々なタイプのマッサージを探してみました。そのため、通いやすそうな所を見つけたらそれが何であれとりあえず一回は試してみました。 今でこそ線維筋痛症に対するマッサージの有用性については理解していますが、当時は何故マッサージなのか、それが痛みとどういう関係なのか何も知らされなかったということもあり、まあ言われるがままにやってみようぐらいの感じで、特段の見当を付けて探していたわけではありませんでした 。 ですので、足つぼマッサージ、台湾系マッサージ、アロママッサージ、整体系のものなど、とりあえず定期的に通えそうな所があれば色々行って試してみました。
そんな時見つけたのがリンパマッサージです。 そこは、今考えてみると、スウェーデン式マッサージに近い感じのものだと思います。当時はスウェーデン式マッサージという名称もそれがどういうものかも何も知りませんでしたが、目的としては身体を温め、全身の血行を促進することで 身体の疲れにも効果的というので、何となく痛みで疲弊した体に気持ち良さそうだなと思い惹かれました。 正直言えば、そこの説明だけを見ると、実際の私の目的とは多少異なり、巷によくある美容的要素に焦点があるように見えて本当に合うのかどうかは正直半信半疑な面もありましたが、痛みで常に体が緊張した感じがあった私には、身体を温めて血行促進をするという点はやはり魅力的で、とりあえず体験で一度行くことにしました。 (これはあくまで私の個人的経験であり、スウェーデン式マッサージの線維筋痛症に対する効果の有無については研究における見解が異なりますのご注意ください1)2))
私の当時の状態は、背中や首の痛みが主だったので、背中を中心に温めたりマッサージしたりするメニューを選びました。 素人考えでは痛みがあるのにマッサージがそもそも大丈夫なのかという疑念はありましたが、そこでは、とにかくマッサージを始める前に全身をしっかり温めるので、その時には何故か痛みがスーッと和らぐ感じがしました。もちろん痛みがあるので、オイルでマッサージをする際には最小限の力でしてもらいました。最小限と言っても実際に今話しを聞くと、あの頃はほとんど表面を軽く撫でているだけぐらいの力だったそうです。他のタイプのマッサージは何をしてもあまり効果も変化も感じず、むしろ痛いだけということもあったのですが、ここでは汗が出るほどしっかり温めてマッサージをするという組み合わせで、全くかかなくなっていた汗も一時でもかくことができましたし、それが本当に気持ちがよく、温めてマッサージをした直後は痛みで緊張した感じがすっと和らぐような感覚になり心地よく感じました。 実は、矢が刺さったような激痛に襲われる一年前程でしょうか、お風呂に浸かっても全く汗をかかなくなっていました。その時は何か変だなぐらいに思っただけで特段何かししたわけでもなく、その異常さに自覚はあまりありませんでしたが、それでも改めて強制的にでも汗をかくというのは体の中からスッと何かが出ていくようでこの上なく心地良いものでした。 治る、治らないということは別として、とにかく体を温め汗をかき程よく脱力できるのが自分にとっては至福の時でしたので、とりあえず月一でそのマッサージを受けることにし通い続けました。
今でもこのマッサージは私にはとても良かったと思いますし、今も時折行っているのですが、当時の一つの大きな問題はマッサージの翌日に来るいわゆる揉み返しでした。揉み返しが酷く酷い筋肉痛のような感じもあり数日は動きづらくなっていました。 上述したように、マッサージと言っても撫でるような力加減でほとんど圧はかかっていなかったはずなのですが、どうやっても揉み返しが強く数日は疲れた状態でした。 こう聞くと、そのマッサージは合っていないんじゃないか、そんな所は良くないんじゃないかと思われるかもしれません(この点については実際線維筋痛症の方の場合注意する必要があります。線維筋痛症におけるマッサージ療法についてはNIH(National Institutes of Health)で言及されていますので下記をご参照ください)。 しかし、お風呂の湯舟に浸かっても全く汗をかかない状態だったこの当時のことを考えれば、体の老廃物をマッサージでもって強制的に排出するということは良かったと思います。当時自覚はなかったものの、明らかに体中に老廃物を溜め込んでいる状態だったと言えます。それが一時でもマッサージで汗をたっぷりかいて体の緊張からほんの一瞬でも解放されるというのは気持ちがよく、一時的でも体が楽になったので通い続けました。
Massage Therapy
>Massage therapy includes a variety of techniques in which practitioners manipulate the soft tissues of the body.
>Several studies have evaluated various types of massage therapy for fibromyalgia. Most indicated that massage could provide short-term relief of some fibromyalgia symptoms. However, the current evidence is too limited to be considered conclusive. Experts recommend that massage therapy for fibromyalgia should not cause pain. It may be necessary to start with very gentle massage and increase the intensity gradually over time.
>Massage therapy appears to have few risks when performed by a trained practitioner.
>マッサージ療法には、施術者が体の軟部組織を操作するさまざまな技術が含まれます。
>いくつかの研究では、慢性疲労症候群のためのさまざまなタイプのマッサージ療法が評価されています。ほとんどは、マッサージが慢性疲労症候群のいくつかの症状を一時的に和らげることができることを示しています。ただし、現在の証拠は限定的すぎて確実なものとは考えられていません。専門家は、慢性疲労症候群に対するマッサージ治療は痛みを引き起こさないようにする必要があると推奨しています。非常に優しいマッサージから始めて、徐々に強度を増やす必要がある場合があります。>訓練された施術者によって行われる場合、マッサージ治療にはリスクが少ないようです。
日本語訳:筆者
全ては今思えばということになりますが、この頃は既に痛みで体が緊張状態にあり、それを庇おうとするせいか普通には動かせない程身体が硬い状態だったので、骨格自体も歪んでいたのだと思います(数年後にそれがはっきり判明するのですが)。そうならば、その緊張し切った身体にマッサージを加え、歪んだ骨格はそのままに筋肉を緩めようとするのですから、揉み返しが強いのも納得です3)。
このように、病気についての知識はさしてないままに何となく自己改善の一歩を踏み出したのが、このリンパマッサージです。 ちなみに、今ではマッサージの揉み返しはありません。今振り返ると、随分やみくもに始めたマッサージの感じもしますが、何であれマッサージをしてもらう中で色々自分の体の状態について指摘をもらうことで気づきがあったのも事実です。普段自分の体に十分な注意を払っていなかった私にとっては、マッサージのタイプが何であれ貴重かつ必要な最初の小さなステップであり、改善法だったと思います。
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ここで一つ、Yuki Nakagawaさんの動画を紹介しておきます。ほんの数年前のことですが、コロナ禍でマッサージに思うように通えなくなった時に自分で何かしようと思い見つけたのが、このリンパマッサージの動画です。これが私には効果的で、毎日お風呂から出たらやるようにしていました。やり始めてからは睡眠の質が良くなり、随分体の調子も変わっていきました。以前の私はよく夢を見ていたのですが、何故かこれを始めてからそれがなくなりしっかり寝た感じがして本当に良かったと感じています。この動画は、リンパマッサージだけでなく、それと関係して呼吸についても説明がなされています。深呼吸についての私の経験に関しては別記事で触れますが、この動画は私が呼吸の意味を理解するきっかけになった同時に色々な改善ができた私にとっての貴重な動画です。 Yuki Nakagawaさんは解剖学の観点から体の仕組みについて説明して下さるので役に立つことも多く、線維筋痛症の方の自己改善の参考になることもあるかもれしれません。
【〇〇を摘むだけ】全身の脂肪がドバドバ流れるリンパマッサージ!
【注】
1)厚生労働省eJIM | マッサージ療法 | 各種施術・療法 | 医療関係者の方へ | 「統合医療」情報発信サイト (ncgg.go.jp)
2)Massage Therapy: What You Need To Know | NCCIH (nih.gov)
3) https://www.mitsuwa-chiropractic.com/blog/007.html